書籍化作家が小説家になろうの今後のために願うこと
私は小説家になろうに投稿した作品が、ある出版社の目に留まって、書籍化できたいわゆる書籍化作家というやつである。
それまでまったくのアマチュアであった私が、こうして出版できたのは、ひとえにこの巨大投稿サイトがあってのものだ。
私は「小説家になろう」におかげで、「小説家になれた」一人である。
縁があり、恩があるサイトに対して、こうして要望を書くことは、どうやら一部の人にとってははなはだ不愉快なようだ。
何様だ、身を弁えろ、というような指摘をいただくこともあるが、小説家になろうは成長期から成熟期へと段階が移行したと思えるだけに、あえて次のステップに進んでもらい、より大きな活躍を期待して、ここに記します。
ランキングの問題について 新設、あるいは改善
小説家になろうでは、総合、ジャンル別、異世界転移・転生の3つのランキングがある。
さらに、その中でも日間、週間、月間、四半期、累計と期間ごとに分かれている。
このランキング制度は非常によく考えられていて、同じ作品が常に居続けることが難しくなっている。
だから、私はこのランキングについては大幅な変更はいらないというスタンスだ。
ただ、一度書籍化した作家がランキング上位に昇ることの多さなどを問題視する人もいる。
新陳代謝が損なわれる、という発言も見られる。
しかし、ランキング上位に昇る要素がたまたまの運ではなく実力であった場合、これは不可避の現象でもある。
面白いコンテンツが評価され、上位を占めるのは、一般利用者にとっては望ましいことだ。
とはいえ、その分、新規にランキングに掲載され、そこから大人気を博した「かもしれない」作品の機会を奪ってしまっているのも確かだろう。
そこで、私としては、ランキングに新規に載った作品に関しては、分かりやすくNewなどのマークをつけることを求めたい。
累計ランキングに載るような人気作の場合、日間ランキングに常に居続ける(何度も復活する)ことも珍しくないためだ。
新しい作品を求める読者にとっては、分かりやすい指標になるかと思う。
あるいは、「新着のみを掲載するランキング」を新設してはいかがだろうか?
小説家になろうの作品を分析するサイトでは、日間最高何位というデータが取得されているから、集計時に過去にランキング掲載した経歴があるかどうかを調べるのは可能だと思う。
アカウント停止措置について
複数アカウント問題
近頃、アカウント停止措置が話題になっている。
複数アカウントによるポイント操作疑惑から、ディープキスなどの描写による訂正警告、アカウント削除についての流れだ。
ところで、この複数アカウントに関しては、警告なしの一回削除の措置を取られているが、作者にとっても恐ろしいだけでなく、運営側にとって非常に危険だ。
私は複数アカウントをしたこともないし、今後する事もない。
しかし、もしやってもいないのに問答無用にアカウントが削除されたら、裁判沙汰にすると思う。
泣き寝入りするには、出版社に迷惑がかかりすぎる。
身の潔白を証明するためには、そこまでせざるを得ないだろう。
そして、そこで本当にやっていないことが判明したら?
信用問題、賠償請求など、計り知れない損失を被ることになる。
アカウントの一時凍結からの、利用者による弁明の機会を設けることは、大規模サイトではよく見られる措置ではないだろうか。
たとえば問題になっているTwitterの凍結でさえ、いきなり削除されるわけではない。
同一IPについて
ネット喫茶やマンションによる同一IP問題があり、またIPの情報公開を行わなかったことが、疑惑を深めてしまっている。
帰宅しました。
— 真摯夜紳士@エブリスタ (@night_gentleman) 2018年3月9日
運営からのメールを添付します。
複数アカウントの利用で削除とのことですが、全く身に覚えがありません。
質問に対する回答は、まだ頂けていません。 pic.twitter.com/GB4LtupjQq
同一IPが問題であるならば、当事者にIPを公開することは無問題である。
プライバシー保護の観点も大事だが、当事者にすら開示できないプライバシーとはなんぞや。
別人がIPを取得していたなら、アカウント削除の根拠自体はなくなってしまうのだが、いかがだろうか。
描写による不明瞭な警告について
描写による警告は、非常に問題が多いように思える点だ。
警告、修正個所の指摘がない。
あるのは、
問題に接触しているため修正して欲しい
↓
危なそうなところは訂正しました
↓
まだ残っているから修正して欲しい
というやりとりだ。
これではなにが問題かまるで分からない。
もちろん、ある程度のガイドラインは裁定されているのだけれど、問題箇所の指摘は行われても良いんじゃないだろうかと思う。
というのも、長編になればなるほど、問題箇所を把握することは難しくなるからだ。
なろうでは100話を超える作品も珍しくないので、適切に把握できるかというと難しいと思われる。
とはいえ、小説家になろうは広告によってほとんどの収益を得ているが、広告媒体であるGoogleAdSenseは、担当者によって基準が変わり、明確な基準を打ち出していないので、難しいのは分かるので、あまり強くは言えない。
小説家になろうにしても、Google AdSenseの管理人から指摘され、広告が停止されたくないために修正を求めているというケースもあるだろうから。
Googleアナリティクスの導入について
毎日更新する作家にとっては、即日、即時の反応はとても気になる。
小説家になろうの解析は2日遅れで、なかなか反応が分かりづらい上、分かる解析もかなり限られてしまっている。
Google Analyticsの導入は、小説を改善するのに役立つ。
離脱率などから、第何話に問題があったのかなどが丸裸になるからだ。
公式が言うJavascriptの導入によって、サイトに致命的な被害を避けたいのであれば、外部リンクなどと同様に、Googleアナリティクス専用の記入欄を設けるなどしてみてはどうだろうか?
少なくともカクヨムでは導入されている。
これによって、現アクセス解析に対しての負担も軽減されると思うのだが。
ちなみに、この提案に関しては一度、公式に問い合わせフォームから要望として送ったことがある。(そのときには合わせてヒートマップの導入も送った)今後採用されてほしいものだ。
企画について
これは私自身が書き出し祭りという企画をやったために思うのだが、なろうさんは小規模、あるいは大規模企画が非常にやりづらい。
企画主のアカウントを使うため、共同管理も難しい。
企画用のアカウントの創設を認めてくれたり(複数アカウント問題が絡むためできない)あるいは企画ページの導入などをして欲しい。
以上が小説家になろうに対しての、一人の作家からの今後の要望です。
書き手が書きやすい環境を徹底的に整えることで、小説家になろうは良いコンテンツを集めることが出来、結果として読者が集まるという好循環が生まれて発展してきただけに、改善していただきたいと強く願っている。
もちろん、私が出した案を採用する必要はどこにもないのだけれど、このように問題があるように感じている人間がいることが、届けばよいと思う。
少しでも面白いと思った方がいたら、コメントなりブクマなりTweetなりしていただけたら、とても嬉しいです。
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