感想をモチベーションの中心に据えることの危うさ
作者にとっての感想とは?
感想は嬉しい。
反応を貰えると、もっとがんばろうという気持ちにしてくれる。
反面、感想がないと、壁に向かってもくもくとボールを打ち続けているような気持ちになる。
(本当に面白いんだろうか。)
(もしかして、面白いと思っているのは自分だけで、誰もこんな作品を望んでいないんじゃあ……)
感想が来ないとき、だいたい作者はこんな悩みに襲われる。
だから、作者が感想を望むのは半ば本能と言っても良い。
でも、それをモチベーションの土台に据えると、創作の意欲を他者に依存することになってしまう。
モチベーションの保ち方
こんなことを急に書き出したのは、ある好きな作家さんが最近になって感想がほしい、と頻繁に言うようになってきたからだ。
それだけではなく、感想が貰えないと書く気になれない、と公言してはばからない。
その態度を見たとき、あ、これは危ういなと感じた。
エター(更新が途絶える)作品に共通してみられる反応だったからだ。
執筆のモチベーションというのは、結構危ういものがある。
なんていったって、私たちの周りには楽しいことが沢山ありすぎる。
制作者でありながらも、消費者でもある。
ネットサーフィンをしたり、SNSをしたり、あるいはソーシャルゲームをしたり。
時間はいくらだって過ぎていく。
小説を書くことは、仕事ではないかぎり誰からも強制されない。
自分で書きたいから書くしかないのだ。
モチベーションの種類について
突然だが、あなたはダニエル・ピンクの名著『モチベーション3.0』という本を読んだことがあるだろうか?
もっとも長続きするモチベーションとは、アメとムチではない。
外部から与えられるような報酬や、叱責の声では決してない、というのが主旨だ。
人が最もモチベーションが高まるのは、取り組むことが自分がやりたいと感じていることと一致している場合だというのだ。
つまり、”書きたいから書く”。
自分の欲求を叶えるために書くのだ。
この想いを常に土台にしつつ、その上で作者の背中を押す感想を求める、という在り方が、おそらくは一番長続きし、高いモチベーションを保つのに望ましいと私は思う。
とはいえ、専業(仕事)として書いているならばともかく、副業であったり、そもそも
趣味であるならば、そこまで深く追い求めなくても良いのかもしれない。
ただ、創作の楽しさは一度知ってしまうと麻薬のような病みつき感が待っている、とだけ言っておきたい。
モチベーションについては、下記を参照されたい。
名著だと思う。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 文庫
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