審査員をして分かった、小説が評価されるポイントとは?
先日、第四回ナロラボ杯の決勝審査員を務めさせていただいた。
これまで書き手としてばかりの立場にいたが、審査員になることで、裏側を知ることができ、書き手としては気付かないような様々なことが分かったので、ご紹介したい。
1.そもそも、審査員は深読みはしてくれない
私たち書き手が審査員に求めることは何だろうか?
作品の良さも欠点も、すべてを見事に把握し、的確に採点してくれることではないだろうか?
何度も読み直し、作品のすべてを知ってもらうことだろうか?
盛大な勘違いだ。大いに間違ってる。
審査員だって、時間が無限にあるわけじゃない。
忙しいのだ。その点は普通の読者とまったく同じ条件だ。
審査時は作品に集中して読んだが、だからといって読み返して何度も隅から隅まで底さらいするような読み方はしなかった。
分かりにくい描写があったら、読み返すよりもここ読みにくいな、と減点する。
だから、複雑な設定が悪い訳ではないが、複雑な設定を理解されやすく書く努力は不可欠になってくることが分かった。
読者が作品を読み返すのは、本当に気に入った作品だけだ。
だから、もし読み返してほしい、作品のすべてを知ってほしいと思うなら、先に読み返したくなる作品を書くしかない。
これは下読みでも、どこかの賞に応募するのでも同じことが言えると思う。
決勝では8作品を読んだ。
そして、私は後々読み返そうと、2作品はブックマークに保存した。
そうして初めて、何度も読み返され、作品をより深く味わってもらえる。
2.作品の感想は非常に似通う
では、そんな読み方で採点は出来るのだろうか? という疑問が残る。
実はできてしまう。
構成であったり、描写であったり、あるいはキャラクター性であったり。
評価のポイントは様々だが、審査員同士が気になる点として挙げた部分はおおよそ共通していた。
もちろん総合点における好みの個人差はあるが、似たような物足りなさを覚える。
これは、逆を言えばあるていど読み込んだ読者であれば、そう的の外れた指摘はされないということでもある。
もちろん相手を探すむずかしさ、そしてその相手に真剣に読んでもらい、しかも欠点を指摘してもらうというハードルはあるが、超えてしまえばものすごい力になるだろう。
どうしても相手が見つからなければ、相互にやりあうという協力者を募るのも良いかもしれない。
この場合、ありがたい読者の感想はあてにならないことが多い。
彼らは作品のままに感想を述べるのであって、作者目線というか、より良くするために、という目線で読む習慣のない人が多いからだ。
第四回ナロラボ杯はもうすぐ結果が出る。
どの作品が最優秀に選ばれるのか、今から私も楽しみだ。
追記:2017-11-19
プレーオフの結果が発表された。
【短編小説コンテスト】第四回ナロラボ杯 プレーオフ(最終決戦)結果発表 | ナロラボの小説コンテスト
感想をモチベーションの中心に据えることの危うさ
作者にとっての感想とは?
感想は嬉しい。
反応を貰えると、もっとがんばろうという気持ちにしてくれる。
反面、感想がないと、壁に向かってもくもくとボールを打ち続けているような気持ちになる。
(本当に面白いんだろうか。)
(もしかして、面白いと思っているのは自分だけで、誰もこんな作品を望んでいないんじゃあ……)
感想が来ないとき、だいたい作者はこんな悩みに襲われる。
だから、作者が感想を望むのは半ば本能と言っても良い。
でも、それをモチベーションの土台に据えると、創作の意欲を他者に依存することになってしまう。
モチベーションの保ち方
こんなことを急に書き出したのは、ある好きな作家さんが最近になって感想がほしい、と頻繁に言うようになってきたからだ。
それだけではなく、感想が貰えないと書く気になれない、と公言してはばからない。
その態度を見たとき、あ、これは危ういなと感じた。
エター(更新が途絶える)作品に共通してみられる反応だったからだ。
執筆のモチベーションというのは、結構危ういものがある。
なんていったって、私たちの周りには楽しいことが沢山ありすぎる。
制作者でありながらも、消費者でもある。
ネットサーフィンをしたり、SNSをしたり、あるいはソーシャルゲームをしたり。
時間はいくらだって過ぎていく。
小説を書くことは、仕事ではないかぎり誰からも強制されない。
自分で書きたいから書くしかないのだ。
モチベーションの種類について
突然だが、あなたはダニエル・ピンクの名著『モチベーション3.0』という本を読んだことがあるだろうか?
もっとも長続きするモチベーションとは、アメとムチではない。
外部から与えられるような報酬や、叱責の声では決してない、というのが主旨だ。
人が最もモチベーションが高まるのは、取り組むことが自分がやりたいと感じていることと一致している場合だというのだ。
つまり、”書きたいから書く”。
自分の欲求を叶えるために書くのだ。
この想いを常に土台にしつつ、その上で作者の背中を押す感想を求める、という在り方が、おそらくは一番長続きし、高いモチベーションを保つのに望ましいと私は思う。
とはいえ、専業(仕事)として書いているならばともかく、副業であったり、そもそも
趣味であるならば、そこまで深く追い求めなくても良いのかもしれない。
ただ、創作の楽しさは一度知ってしまうと麻薬のような病みつき感が待っている、とだけ言っておきたい。
モチベーションについては、下記を参照されたい。
名著だと思う。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
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はじめて小説を書くなら、二次創作を薦める理由
私が初めて小説を書き始めたのは、今から10年以上前の話になる。
その時、その瞬間まで、私は小説を書きたいと思っていなかった。
それが今やもっとも長続きしている趣味のひとつであり、気がつけば本まで出しているというのだから、世の中は分からない。
ただ、言えるのは、あの時私が第一歩を踏み出さなければ、多くの貴重な体験などなかったし、人生はもっと味気ないものになっていただろうってこと。
そして、私は二次創作を最初に書き始めたから、どうして良いかがハッキリと分かるということだ。
二次創作を薦める3つの理由
小説は好き勝手に書いていい自由なものだけれど、それだけに何をどう書けばいいのか、多くの人が迷う。
私が薦める理由は次の3つだ。
- キャラクターや世界観を考えなくていい
- ファンがいるため、応援してくれる率が高い
- 他の人の作品を参考にできる
1.キャラクターや世界観を考えなくていい
初めて物語を書く際には、たくさんのことを考えなければならない。
キャラクターの性格、身長、言葉遣い、能力。
世界観における地名、道具の名前、街の風景、政治、経済……etc。
これらは慣れると考えるのがとても楽しいものだけれど、これまで一切手を付けていなかった初心者が手を出すと書き出す前に疲れてしまう。
すでに原作があるものを書けば、がっつりと労力を減らすことが出来る。
まずは小説を書くという体験ができるのは、とても強い。
2.ファンが居るため、応援してくれる率が高い
非常に残念なことながら、あなたが生まれて初めて小説を書いて、それが読者の目に止まり、なおかつ好意的な絶賛を受ける可能性は極めて低い。
二次創作の良い点は、すでに原作のファンがいるため、交流しやすいということだ。
しかも、初投稿であれば応援してくれる率が高い。
「初投稿、初作品です」と宣言しておくこと。
創作は(基本的に)一人で行うものだけれど、応援してくれる人がいれば苦しいときも頑張れる。
私は初投稿の際、今読み返せば黒歴史とも言えるような作品を投稿してしまったものだけれど、続きを楽しみにしています、という言葉が嬉しくて、次々と書くことが出来た。
あのとき、自分なりにはがんばって書いた作品が無反応だったら、はたして今があっただろうか?
できるだけジャンルの活発なところ(かつ自分が大好きな作品)に最初は手を出すと良いだろう。
3.他の人の作品を参考にできる
盗作は厳禁だ。
だが、二次創作同士は影響を受け合い、参考にし合うことも出来る。
特に設定が同じという土台があるから、この影響は計り知れない。
作品の良い点を盗み、作風などを吸収し、どんどんと成長していける。
以上の3つのポイントにおいて、私は処女作は二次創作をお薦めする。
さあ、難しいことは考えずまずは書こう!
ただし、二次創作は公にOKが出ている作品と、出ていない作品がある。
暗黙の了解として、原作に迷惑をかけないレベルでの活動が黙認されているに過ぎない点には注意しておこう。
二次創作が投稿できるサイト
小説家になろう 許諾作品のみ
カクヨム 許諾作品のみ
新装版 冲方丁のライトノベルの書き方講座 (このライトノベルがすごい!文庫)
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ライトノベルの書き方 キャラクターを立てるための設定・シーン・ストーリーの秘訣
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ファンタジーものを書く時に参考にしたい資料を紹介していく 中世の農村と都市について
ファンタジーものの舞台になるのは、大体が中世ヨーロッパ風の世界観。
そこには魔法などの地球とは違う歴史があり、文化がある。
だから、極論すれば、地球の中世を学ばなくてもファンタジーものは書けるかもしれない……。
でも、(地球の中世ってどんな生活をしていたんだろう……?)
他の作品よりもリアリティのある世界観が書きたいと思って、調べたくなる人は多いと思う。
そこで資料を探し始めると、壁に突き当たる。
おおよそ資料の問題点は、次の5つに集約できるのではないだろうか?
- どれを読んだら良いのか分からない
- 書いていることが難しすぎる
- 価格が高い
- 調べることにキリがない
- 面白さと繋がらないこともある
私はこれら全てにぶち当たった。
その上で断言するが、資料は読んだほうが良い。
資料を読むことでアイデアのネタをいくつも得ることが出来るし、他の人が発想しないことを、思いつく可能性も高まる。
それに、しっかりと知識があった上で書くと、生活水準などに矛盾が生じなくなって、作品の完成度がどんどん上がる。
あと、なろう小説のように共通認識で書く場合には良いのですが、オリジナルな世界観を書こうと思うと、知識量でクオリティに如実に差が出てしまいます。
別にどれだけ知識があっても、全部使う必要はない。
でも、知らなければ使うことができない。
私はいろいろな資料を読んでいるうちに、なんとなく資料の探し方が分かるようになった。
そこで、前半ではこれらの問題への解決策と、後半では実際にどのような資料がお薦めかを、具体的に紹介したいと思います。
- どれを読んだら良いのか分からない問題について
- 書いていることが難しすぎる問題について
- 価格が高い問題について
- 調べることにキリがない問題について
- 面白さに繋がらないこともある問題について
- 中世の農村について
- 中世の都市について
どれを読んだら良いのか分からない問題について
一つの題材を扱った資料だけでも、膨大な数の本が出版されている。
闇雲に探すと、どれを選んで良いか分からないことになってしまう。
ポイントは一つ。
出来るかぎり分かりやすい入門書をまず読むこと。
入門書は幅広い題材を浅く扱ってくれている。
しかも、いちばん重要な点は外していないのがスゴイ!
専門的な分野を調べていて、分からないことに突き当たったときも、入門書を再度読み返せば、分かりやすく噛み砕いて説明してくれているケースは多い。
また、巻末に参考文献のリストがあれば、そこから逆引きしていくこともできる。
個人的な意見だが、難しい専門書を頑張って1回読むよりも、入門書を早く3回読んだほうが、身につくように思える。
書いていることが難しすぎる問題について
この問題も、先ほどの答えと同じ回答にたどり着いた。
入門書をまず読む。
これが第一の方法。
第二の方法は、分からなくてもとりあえず読んで、あとでもう一度読む、だ。
これが不思議なぐらい、理解しやすくなっていることが多い。
全体像を把握したり、理解するための基礎知識を他の場所で得ることが出来るからだと思う。
反復は力なり。
読書百遍意自ずから通ず。昔の人は良いこと言った。
一番ダメなのは、難しいからと立ち止まって、全然読み進まなくなってしまうこと。
騙されたと思って、そのまま一気に読み進めてみて欲しい。
価格が高い問題について
資料は高い。
一冊数千円する本もザラにある。
とはいえ、その研究でご飯を食べている人が、自分の知識の集大成を一冊の本にまとめてくれているのだから、考え方によってはめちゃくちゃ安いんだけど。
それでも資料にお金を払うのが辛い人は、図書館を利用したら良い。
近頃の図書館は、最寄りの図書館まで近隣から本を集荷してくれる場合もある。
片足とはいえ本を出版する側に立つ私が言うべきかは分からないけれど、図書館は国が税金を使って購入しているのだ。
ただまあ、図書館で読んで気に入った資料は、手元に置いておくと良いと思う。
あとは、一ヶ月に使う予算を決めておくのだ。
最低金額と上限金額を決めておくと良い。
上限だけ決めると、なかなか資料を買うという習慣がつかない。
月に一冊ずつでも買っていけば、年に12冊になる。
鍛冶についてなら青雲を駆けるとかどうだろうか?(ダイレクトマーケティング)
調べることにキリがない問題について
これは目的意識を持って調べることで、回避できる問題だ。
より幅広く知りたい、と思ったときに調べれば良い。
必ず調べなければならない、という強迫観念を捨てよう。
面白さに繋がらないこともある問題について
残念ながらリアリティと面白さが比例するとは限らない。
だが、知らない人間は、その知識を使えない。
知っている人間は、その知識を使うかどうかを選べる。
この差は小さいようで大きい。
以上、5つの問題について、それぞれの私なりの解決策を述べてみた。
次に、私がお薦めする資料について紹介していく。
中世の農村について
中世ヨーロッパを知るなら、この本を第一に推薦したい。
- 分かりやすい
- 安い
- すぐ読み終わるが何度でも読み返せる奥深さがある
コストパフォーマンス最強の一冊である。
そして、中世ヨーロッパの人口比率で、もっとも多いのが農民だ。
あなたがファンタジー小説に登場させるかどうかは知らないが、その生活ぶりを想像すると、奥深さが出てくる。
講談社学術文庫から出されるギースの中世ヨーロッパシリーズは非常に人気があって、いつも売れてる印象がある。
分かり易いが、世界史リブレットシリーズに比べると、少し読みづらい。
文量としてはこちらのほうがかなり多い。
この二冊は、農村生活を知るのに欠かせない入門書だと思う。
次に都市の生活に移ろうと思う。
中世の都市について
先ほどのは堀越先生の。
今度は河原先生の著作だ。
河原温先生の著書も、表現が非常に柔らかく、疲れた頭でも資料が読めるぐらいだ。
こちらも非常に分かりやすいお薦めの一冊だ。
ぎっしりと、トロワの都市を例題に、都市の様々な職業や生活について触れている。
何度も読み返した覚えがある。
リブレットシリーズと、 ふくろうの本シリーズは個人的にハズレた経験がない。
ふくろうの本の、図説シリーズは名称の通りカラーのイラストが豊富でとてもイメージが膨らみ、お値段以上の価値がある。
中世を旅する人びと―ヨーロッパ庶民生活点描 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 阿部謹也
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/07/09
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遍歴の職人たちを題材にした一冊。
むかしは、見習いからギルドの試験に合格して職人になっても、定員があったため親方にはなれなかった。
そこで、都市を遍歴し、何らかの理由で定員割れを起こした都市で独立する、という流れになる。
ほかにも修道士など、旅する人々は様々にいたが、詳しくは書籍を手にとって欲しい。
以上、まずは農村と都市の生活について触れている本を紹介した。
ぜひ手にとって欲しいと思います。
面白いと思っている自分の作品が、まったく評価されない時にする対策
書いても書いても評価されない現実がある
これは面白い、きっと他の人も気にいるぞ! と思って、作品を書いて投稿する。
小説を書くのは結構重労働で、一時間に二千字ぐらいしか大体の人は書けない。
(この点は個人差が大きいけれど)
ところが、それだけ労力をかけてもまったく評価されないときがある。
ポイントが増えない、ブックマークが増えない。
そもそもアクセスすらほとんどされない。
アクセス解析のグラフを見て、あるいは小説情報のページを見て、泣きたくなった作者は結構多いんじゃないだろうか。
こういう作品だ。
こういうのは辛い。心が折れそうになる。
更新しているのにどうして?
文章が悪いの? キャラが立っていないの?
それともストーリーが悪いの?
固定読者がいないと、指摘すらしてもらえない。
そこで、個人的体験と見解を大いに踏まえて、少しでも評価されるための戦略を書いていきたい。
まずは見られるように工夫してみる
大前提だけれど、自分の作品が面白いと思っているときの対策。
もしかして、面白くないのかな……と不安になっている場合は、次の見出しに飛んでください。
作品が面白い(はずな)のだから、見て貰えさえすれば正当な評価が下されるはずだ。
ここで、ネット小説の大前提をお伝えしておきます。
中身がいくら面白い小説を書いていたとしても、タイトルとあらすじが微妙だと、読者は敬遠してしまう。
これは多くの書籍化作家(ならびに出版社の編集さんも)が口を揃えて言ってること。
タイトルとあらすじは、私もいまだに試行錯誤する難解な要素だから、絶対にこれで正解、とは言えない。
ただ、押さえるべき要素は2つ。
- 簡潔であること
- 中身を推察できること
1.簡潔であること
タイトルは別に長くなくて良い。
むしろ短いぐらいでも良い。もちろん、わざと長くして目立たせる方法もある。
これを見て欲しい。すごいシンプルだ。
そしてひと目でどういう話かが分かる。
ちなみに私の書籍化作品は『青雲を駆ける』だ。
青雲ってなんだ。時代小説っぽいね。
以前編集さんにも、「タイトル変えないんですか……今のままで良いんですか?」って聞かれたことがある。
ネーミングセンスが皆無なんだ。
まあ、こういう例外もあるけれど、私はその分、他の点では戦略的に立ち向かった。
累計ランキングを見てても、浮きまくってる。
これは代わりに大人層が中心に読者になってくれるという利点があった。
そして、実際に中身も小中学生よりもビジネスマン向けだという自覚がある。
自分の作品の特性をつかむこと、読者の年齢層に合わせることは重要だ。
2.中身を推察できること
あらすじとは、次の要素でできている。
「ダレ」が「なに」を「どうするか」。
極論すればこれだけでいい。
VRMMOをカネの力で無双する
http://ncode.syosetu.com/n0553bs/
鰤/牙先生の作品だけど、わずか一行だ。
でもタイトルと合わせると、中身が分かる。
読まれない人の作品を見に行くと、大体あらすじで中身を全部説明しようとしてる。
あらすじは本文を読んでもらうところだ。
中身を解説するのは本文に任せて、興味を掻き立てることに注力したほうが良い。
さきほどから、内容以前のことばかりを言っている。
でも、内容以前の問題で ページを離脱されている作品は意外と多い。
めちゃくちゃもったいないことだと思う。
どれだけ中身に自身があっても、その中身を見てもらえなければ、勝負すらさせてもらえないことを、肝に銘じてほしい。
レイアウト設定を考えよう
レイアウト設定を、自分の好みで変えている作者は、今すぐ標準に戻してみよう。
ちなみに、公式にもパターンAとパターンBがあるが、パターンBは運営の罠なので、選んではいけない。
小説家になろうは、様々なレイアウトでもっとも読者の離脱率が少ない設定を探っている。(アクセス解析で過去にパターン分析していると思われる)
そのため、初期設定は非常に見やすい設定になっているのだ。
個人的に変えても良いと思われるのが、行間の%だ。
行間を空けると、文字に対して目が滑りにくくなる。
私は青雲を駆けるでは色々と弄った結果、最終的に190%に落ち着いた。
改行と空行を入れよう
人の目は、5行+-2行ぐらいしかひと塊として読み取れないと言われている。
これをマジカルナンバー5+-2と言う。
読みやすさで言えば現在ではナンバー3+-2とも言われているので、3~5行ぐらいで一段落にする感覚をつけよう。
たまに、改行や空行を全然していない作品があって、文章を読む前に「うっ……」となるものがある。
紙の本では、このリスクを下げるために出版社が可能な限り、行間や字数を工夫してきた。
紙とWebの一番の違いは、紙数(スペース)に限りがない、ということだ。
だから、使える長所は使い倒し、読みやすくなるよう改行を入れたほうが良い。
非常に面白い実験とされた方が居るので、紹介しておく。
第5話までが
— 白い饅頭@ノクターンノベルズ (@whitemanjyu) 2017年7月30日
・行間を空ける、
・多少漢字からひらがなに変える、
・少し意味が通りにくい所を修正する、
・一文の中に繰り返しで単語が書かれている箇所を修正する
を行った部分です
これをするだけでユニークアクセスが倍近く増える事実から、ちゃんとした文章の大切さがわかります pic.twitter.com/JTfkQkLnp7
文章作法を学ぼう
文章作法は、色々なものがある。
例えば、
- 行頭の一字下げ
- ……やーーを二つで使う
などがある。
Webだから自由な表現でいい、という人は好きにしたら良い。
もしヒットして書籍化が来たら、文章作法は守ることになるんだから、どうせなら早めにやった方が手間も省けてよくないですか、というだけ。
それに、 勝負するなら中身であって、小さな表現の部分ではないと思っている。
以上、中身で勝負される以前の、注意すべきポイントについて纏めた。
次回は中身についての話に触れていきたいと思います。
下記は私が文章読本系の本で、一番推薦している本です。
これから言うことは大体この本読めば載ってる。
- 作者: ディーン・R.クーンツ,Dean R. Koontz,大出健
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/07/01
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また、審査員になった時の立場から評価する小説についても気付きを書いているので、参考にしてみてください。
小説家になろうで書籍化するまでの間に私がしたこと
小説家になろうは、今更説明するまでもないと思うけれど、小説を投稿して、ポイントが貯まれば出版社から書籍化の打診が来る、というシステムだ。
今は賞に応募するスタイルもある。
ポイントを稼ぐ方法は3つ
- ブックマークされる(2pt)
- 評価ポイントのストーリー点を貰う(5pt)
- 評価ポイントの表現点を貰う(5pt)
これだけで、他は何一つないシンプルなものだ。
シンプルなだけに、やれることは一見少ないように思える。
実際、なろうの作者たちは2pt、あるいは1ptを得るためにしのぎを削ってる。
一度書籍化をした作者でも、次の作品がスイスイと書籍化するぐらいポイントが稼げるとは限らず、ぜんぜん評価されていないケースだってある。
とはいえ、ポイントを増やすためにめちゃくちゃ小技含めたテクニックも持ってる。
私は以前、ヒーロー文庫さんから『青雲を駆ける』という小説を、ありがたいことに出版させてもらった。ちなみに今は編集さんに四巻まだ? って啄かれてるところ。
これ書き終わったらまた原稿に戻る。
今回は、小説の投稿以前から、書籍化の打診が来るまでの間のちょっとした戦略について、話したいと思う。
1.作品公開前の作戦
じつは、書籍化前に私は事前に戦略を立てていた。
作品を公開する前に、どうやって作戦なんて立てるんだ、と思うかもしれないけれど、じつは意図してなくても多くの作家が自然としていることだ。
書籍化が一番早いのは、新作で波に乗せることだ。
日間ランキングの上の方に上がると、ポイントの入り方が違う。
夏休みとかだと一日で5000ptとかも夢じゃない。
だからできる限り最初の段階で、ポイントを入れてもらう必要がある。
プロローグの投稿から、一日に二回とか三回更新して、一気に評価ポイントを稼ぐという作家は少なくない。
ちなみに、私は書き溜めが嫌いなので、これはやらなかった。
感想とかポイントつかないとやる気がでない構ってちゃんなのだ。
で、書き溜め以外にも方法があって、別の作品で読者を捕まえておくって方法だ。
できれば、こちらで完結してすぐに新作を公開すると、読者がスムーズに移行してもらいやすい。
これにはポイントがあって、できれば同じジャンルが良い。
読者は好きな小説の似たようなジャンルの、別の切り口を探しているので、全然別のジャンルだと苦労することになる。
で、これも私はしなかった。
しなかったというか、できなかった。
小説家になろうで小説を投稿したのは、『青雲を駆ける』が最初だったからだ。
ちなみに、小説自体はそれまでも書いていた。
私が代わりにしたのは、『青雲を駆ける』で使うであろう資料を片っ端から読み、その資料のまとめをなろうにエッセイだったかその他ジャンルだったかで投稿したことだ。
特に『転生系に使える知識・道具』は5000ptぐらい入った。
で、こういうことをすると、この作者はしっかり下調べする作品を書く人なんだ、というのを信じてくれる。
意外と読者は、作者のその他の投稿作品を見てる。
どういうジャンルの小説を書いてるのかとか、他の面白そうなタイトルはあるのかとか、あらすじはどうだとか。ポイントは入ってるのかとか。
安心して読みたいんだ。
だから、みんなタイトルやあらすじもじっくり読む。
そこで更新が途絶えたエターな作品とかが多いと、連載を読むのを躊躇されたりする。
だから小説は完結させた方がいいし、更新が途中で数ヶ月途絶えるなんて 、ダメなのだ(カウンター)
2.投稿してからの話
で、私は感想ください、評価くださいって言ってた。
まあ、これは今も言ってる。
これはポイントのためじゃなくて、書くモチベーションのため。
リアクションが欲しい。
評価してくださいって土下座してたら、だいたい何人かは
「ちっ、しかたねーな。頑張れよ」
ってポイントをくれる。ありがとうございます!
こういうときめっちゃ嬉しい。ニコニコする。ありがとう! って本当に画面に向けて頭下げても良い。気持ちは下げてる。
投稿したら、あとはどれだけ人に知ってもらうかがとにかく大事。
これがほんとうに大事。
で、多くの人は大体Twitterとかに手を出す。
で、失敗する。
この前Twitterのリンク広告をAnalyticsで数字調べたんですよ。
じゃあ、テキストだけだとインプレッション1000とかで、クリック数3とか。
しかもこの3って、元々ブックマークもされてる読者っぽいのよね。
つまり新規獲得は0ってこと。
たまに宣伝広報用のアカウント付けて、ひたすら宣伝ツイートしてる人いるけど、あれめっちゃくちゃ鬱陶しいから、今すぐアカウント削除した方がいいよ。
「うぜー! TL広告ばっかりで埋めやがって! こいつの作品なんて絶対読まないわ。こんな宣伝ばっかりするやつの作品なんてきっと糞!」って思ってるから。
自分が宣伝したツイートのAnalytics見てるの?
あと、そういうのでRTし合ってると、相互評価してるんじゃない、って邪推されるよ?
ニッチなジャンルでポイント付けば、日間の下の方でも一応リストに載る。
そしたら速攻で画像をキャプチャ取って、Twitterで宣伝する。
画像つくとクリック数が上がるのよ。
下の方でもランキング入れば、それは実績です。
その時点で、ほんの少しは読んでやろうかな、って怖いもの知らずが挑戦してくれる。
これガチで違う。しかも新規さんがつく。
するとまた日間の下の方から、少しだけ上がる。
感想増える。ありがとうございます!って頭下げる。
あと、どーしても読者増やしたいなら、2chのなろうスレでも行けばいい。
今もオチスレとかあるのかな?
ただし炎上や厳しい評価も我慢できる人に限る。お薦めはしない。